第10回インターナショナル・イラストレーション・コンペティション総評

日本イラストレーター協会が主催する2009年度の第10回インターナショナル・イラストレーション・イラストレーションの公募展の入選作品の発表です。

|受賞者一覧|

審査方法

審査員はイラストレーターとグラフィックデザイナー各2名づつ、そしてJIAの代表の5人で構成しました。

1番いいと思う作品に対して10ポイント、2番目にと思う作家に7ポイント、その他の入賞候補14名に4ポイント、さらに入選候補15名に2ポイント、15名に1ポイントづつ入れてもらいました。

最終的に5人の審査員のポイントを集計して、各賞を決定しました。

最優秀賞には23pt獲得した飯泉雄司さんが選ばれました。

優秀賞には16ptを獲得したヒグチユウコさんが選ばれました。

15ptから11ptまでを入賞に、10ptから6ptまでを佳作としました。

Bes in 立体オブジェ賞、Bes in クラフト賞、Best in 3D-CG賞は11pt以上で該当する作品がありませんでした。


全体評

グラフィックデザイナー 立澤 あさみ

色々なジャンルにわたっての作品を同じ土俵で評価し順位をつけるのは、 ある意味難しいことではありますが、主に次の点に留意し、選ばせて頂きました。

・心を揺さぶるものがあるか。

・「アート」と「イラストレーション」をあえて分けて考えた上で、 「イラストレーションの持つ役割」としての 伝える力 を持っているかどうか。

・「オリジナリティー(人にはないもの)の強さ」と「ひとりよがりにならない」 点とが均衡しているか。

・商業的に使える可能性の大きさ。

全体のレベルに関しては、かなりの高低差を感じました。

中には、数少ないですが、プロとして充分ご自身の世界や技術を確立しておられる と認められるような作品もあり、 一方では、個人的な趣味の域を脱していない作品も見受けられたり・・・ 今回の結果が、ご自身の立ち位置を確認する為のヒントとなり、又、前進の きっかけとなることを願います。


グラフィックデザイナー 山本 英子

私は長く(広告やカタログ、パンフレットなど)グラフィックデザイナーとして活動してきました。

今回もそのような印刷物などに使用出来るかどうか、またその他どのような使い方があるかという観点から審査に参加させていただきました。

そういう意味では自分の作品がアートなのかまた商業ベースのものかを意識した作品も多かったように思います。

とくに最近パソコンでイラストを作画するというのが一般的になってきました。

商業ベースをめざすのならそれも問題はありません。

私もほとんどイラストレーターやフォトショップで作画していますから。

ただ原画を売るという目的には適さないということ。

この点は理解しておかなければなりませんね。

今回、全体的にレベルは高い方ではなかったと思いますが、もっと見てみたい、また原画を見たいという作品も多かったように思います。

ただ惜しむらくは立体イラストについて応募が少なかったですね。

立体を写真にするということがむずかしいからということかもしれませんが立体をうまく写真に撮るということも技術の1つです。

そうすることによって構成やライティング、材質などの改良点が見つかるかもしれません。

もちろん立体アートなので実際目で見てもらいたいというのが基本なのでしょうが人を集めるという点では写真をうまく撮れることは大事です。

半立体でも同様です。


イラストレーター 田部 隆

今回は、出展数が、昨年と比較して少し増え良い事でした。

全体的にはオジリナリティーの面から見ても、多様で、それぞれの流儀等も、多々見うけられました。

コンピューターグラフィックの作品は、ややマンネリ化的な傾向も見れましたが、時間を十分かけ、念入りに仕上げてあるものは、こちらの方が多かったように思いました。

とりあげられている題材は、昨年とそうは変わりはないようでしたが、考えすぎた難解なモノはが少なめでした。

それは素直な題材の取り上げ方で、分かりやすいものが多かったように思えた事です。

昨年と比較で、やや作品の質が向上していたことは、事実です。

審査結果に良かった人も、そうでなかった人も、自分磨きの努力を続けていって下さるようお願いします。


イラストレーター 若林 やすと

今回初めて、インターナショナル・イラストレーション・コンペティションの審査をさせていただきました。

一見して応募作の分量に圧倒されました。

この中から選ぶ作業が果たして自分に出来るのかと最初はひるみましたが、とりあえず一枚一枚と見ていくうちに時々自然と目を留めさせる作品が出てきます。

まずそういった作品を選び出していきました。

そうして残ったのは、まず第一に卓越した表現力、技術力を持った作品ですが、そうでなくても何かしら感覚に訴えかけてくる所のある作品でした。

例えば、「お、いいアイデアだな。」であるとか、「よくここまで描き込んだな。」であるとか。

また「いったいこれは何を描いているのだろう。」であるとか、「うわ、なんか気味悪いな。」であるとか。

最終的にはその中から総合的な判断で、順位を決めさせていただきました。

作品とともに応募表を見ると、プロのイラストレーター以外にも実に色々な職業の方から応募があるのが分かります。

主婦の方もかなりいらしたし、学生の方も年配の方もいらっしゃいました。

イラストレーションという表現に取り組もうとしている人たちの広がりを改めて実感して感銘を受けました。


日本イラストレーター協会 理事長 蟹江 隆広

出品者数265人、出品作品総点数406点、一昨年より昨年、昨年より今年と年々出品者数が増えてきました。

このコンペが、これからプロのイラストレーターを目指す人、或いは今後ますます活躍の場を広げたいと思っているイラストレーターにとって、定番のコンペとして認知されるようになってきたと感じます。

全体的には少しづつレベルが上がってきているように感じます。

個性的で魅力的な作品もたくさんありました。

ただし純粋絵画ではなくイラストですから、ある程度印刷媒体などで使用されることを想定して描く意識も必要でしょう。

何に使われるか、自分で想定して描いてみることを試してみてはいかがでしょうか?

出版関係あるいは広告関係の方達などにも今まで以上に注目して頂き、新しい人材の発掘にお役に立てることを期待しています。


審査員略歴

立澤 あさみ

多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻 1991年卒。

ステーショナリーメーカーにてデザイナーとして約17年勤務。

イラスト・デザイン・絵本制作を手がける。

2008年より、フリーランスで活動開始。

現在、美術系専門学校の非常勤講師も務める。

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山本 英子

1962年 兵庫県神戸市生まれ。

1985年 武蔵野美術大学造型学部油絵学科卒業後、広告制作会社にてグラフィックデザイナーとして勤務。

数社を経て、フリーのグラフィックデザイナー、イラストレーターまたペーパーおめんデザイナーとして活動。

集文社からペーパークラフトキット「ペーパーおめん」を発売。

またレンタルイラスト「素材館」というサイト立ち上げる他、様々なタッチに柔軟に対応するオールラウンドクリエイター。

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田部 隆

学歴: 
上智大比較文化、アートフォードアートスクール(米国)
ドレスメーカー学院、エコールド・ホソノ、小次郎イラストスクール他。

職歴:
(株)ジョイマークデザイン企画
文化服装学院デザイン画講師
東京アニメーター学院イラスト講師
    
賞: 
細野 久デザイン賞
ウールアーク全国縦断おしゃれコンテスト特別賞

出版::
分かりやすいファッションデザイン画の描き方、(チャネラー)  
  
現在:
インター・イヤサカ・ビジュアル・アートスクール校長。

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蟹江 隆広

1955年 岐阜県多治見市に生まれる

1977年 関西大学工学部を4年で中退後渡米、サンフランシスコで2年間遊学

1981年 4月東京デザイナー学院入学

1983年 4月レベル工房入社(エアーブラシの会社)

1985年 レベル工房退社後フリー

1987年 (株)シュガー入社(イラストの会社)

1987年 日刊工業新聞広告賞金賞受賞

1988年 日刊工業新聞広告賞金賞受賞

1989年 日刊工業新聞広告賞銀賞受賞

1989年 (株)シュガー退社後再びフリー

1990年 (有)クレア設立(イラストの会社)後に(株)クレアに組織変更

1999年 日本イラストレーター協会設立

2004年 (株)クレアの代表取締役を降りる

2006年 200 Best Illustrators Worldwide 2006 選考委員

2007年 ソサエティー・オブ・イラストレーターズ会員に認定される

2007年 200 Best Illustrators Worldwide 2007-2008 選考委員

2008年 ZEN展優秀賞受賞

2009年 200 Best Illustrators Worldwide 2009 選考委員

2009年 現在日本イラストレーター協会理事長

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