日本イラストレーター協会

最優秀商品イラスト賞

2022年にイラストを使用した商品の中で最も優れた作品です。

古山 拓 (Taku Furuyama)

【クライアント】
(株)JR東日本クロスステーション

【使用媒体】
駅弁「東北福興弁当~届けよう、東北から。」
弁当パッケージ
記念品限定ポストカード

作品に対するコメント
JR東日本クロスステーションの発売する駅弁「東北福興弁当」シリーズは、東日本大震災からの復興を主眼に震災直後からスタートした駅弁復興プロジェクトです。
震災で打撃を受けた生産者(海産・農産)の商品を使い、東北生産者と東北への旅行者をつなげ、東北復興への一助になる商品を…というテーマで開発された駅弁で、過去10シリーズが発売されました。
今回、「復興11年目」というセカンドステージに移行するにあたり、新パッケージのための水彩イラストとデザインのコンセプトを依頼されました。
描いたモチーフは東北六県の「祭り・名所・民俗」です。
その6モチーフが一つになった時の強さを、自然界にある「強いカタチ」=「六角形ハニカム」に配置するアイデアを提案、採用されました。
「東北福興弁当」シリーズは、販売から第10弾までに70万食を突破しています。
今回の11段目は購入者先着5,000名様に、出荷70万食突破記念品として「東北オリジナルポストカード」を進呈。その限定ポストカードにもパッケージ絵柄を使用されました。
イラストレーターとして、お披露目のイベントにも参列、絵とデザインの趣旨を話す機会をいただきました。食と観光に携われたことが嬉しくも有難い仕事でした。

審査コメント


東北6県の売りになる文化や特色を高演色の水彩で切り取りながらも、同時に「復興弁当」という名に相応しい活気をも表現されています。
鉄道旅の楽しみであります食への期待感を上手なデザインとマテリアルとで高揚させる構成が、購買に多大なお役目を果たしているお仕事に思えます。

上月 伸仁


イラスト、デザインのコンセプトとも、よく練られた良い作品でした。
イラストが、もし写真だったらという場合のデザインを想像すると、やはり古山さんのイラストでなければ、この商品の魅力はここまで出せなかったのではないかと思います。

島谷 裕子


東日本大震災からの復興を主眼にした商品アイデア、全国から沢山の参加者と相当な関心を集めたプロジェクトだったと思います。
今にも動きそうな「名所」や音も聞こえそうな「祭り」の上品な華やかさと力強いイラストに感じました。

内野 僚子


地震、津波、原発事故、東北で受けた被害は10年経っても消えていない。
その復興をお弁当で応援するという発想が素晴らしい。
これらのイラストを通して、どんな酷い目にあっても負けないという東北の人々の強い意志が感じられる。

蟹江 隆広