日本イラストレーター協会

最優秀出版イラスト賞

2020年に納品された出版関係で使用されたイラストの中で最も優れた作品です。

イシガキワタル

【クライアント】
有限会社マイルスタッフ

【使用媒体】
絵本

【作品に関するコメント】

「月のふしぎ」という科学の絵本のお話を頂いた時、32ページで30ページ分の絵をひとりで描くことに戸惑いました。
しかし、絵は妥協したくないという出版社様の熱意にお引き受けしました。
結果、全ての絵が完成するのに2年掛かりました。
全て水彩画の手描きで背景の空の塗りも筆で描いています。
手描きならではの微妙なムラが味わいや温もりとなり、子供たちにも伝わるのではないかと思います。
また、科学の絵本ということで嘘は描けません。
監修者様からの細かな月の角度や空の色など指定通りに仕上げました。
この絵本を通して、月を見上げる子や絵に興味を持ってくれる子が増えると嬉しいです。
絵本のサイズは22.5×26cmです。
作品データは左上だけが表紙(表1)です。
中段が見開き、上・下は2点です。
総点数は21点です。

審査コメント


リアルだけれどあたたかみのあるお仕事になったかと思います。
イラストであることの良さを最大限活かした絵になったことで、科学読み物と物語が始まる二重のワクワク感を子供たちに与えられる作品になっているように思いました。

葦原いるん


30ページ手書きで、正確に描くのはかなりの量です。
月の表面の色や質感を水彩画のテクニックでを使って、素晴らしく表現できていると思います。

マユミ・ゴン・ノガミ


丁寧に描かれた月の絵は、子供だけではなく大人も楽しめるリアルイラストです。
次の世代に繋げていく絵本は、手描き故に伝わる事も多いと思います。
素敵な作品です。

内野 僚子


一見するとエアーブラシで描いたか、デジタルで制作されたのでは、と思ってしまうほど綺麗に描かれています。
この画像サイズではよく分かりませんがよく見ると水彩ならではの微妙なムラや紙の目のテクスチャが見られ、手描きならではの温かみのある絵になっています。
クオリティーを保つために出版社から全て一人で制作するよう依頼されたのは大きな受賞理由です。

蟹江 隆広