日本イラストレーター協会

優秀イラストレーター賞(3)

2020年に納品され作品の中で、分野を超え優れた作品です。

こばやしひろし

【クライアント】
名古屋市環境局、JFEエンジニアリング株式会社

【使用媒体】
通路壁画

【作品に関するコメント】
名古屋市富田工場(可燃ごみ焼却工場)の工場見学のために設置されている2枚の絵です。
黄色い5本の爪で1日450トンものごみを、クレーンゲームのようにつかみ上げ、焼却炉へ投入する油圧バケット。
全長は4.89メートル、1回につかむごみの量は5.7トン。見学にきた子供たちや来場者にその大きさを実感してもらうために原寸で描いています。
バケットを真っ二つに切ったように描いた2枚の絵は、通路を向かい合って配置されています。
見学者たちはバケットにつかまれそうな感覚で、この2枚の絵の間を通過していきます。
本施設は今後数十年運営され、その間にごみの分別ルールが変わることも予測されます。
そのため背景のごみ表現はシルエットのみにしています。

審査コメント


配置空間の面白さに応えた絶妙なイラストかと思います。
この大きさで「説明」に耐えるクオリティのお仕事があるのだと、改めて思いました。

葦原いるん


通路に原寸大で描かれているとのことで、見る人々に迫力を与え、シンプルかつ正確にインフォメーションを伝えていることが優れていると思います。
クライアントの要望にマッチしていることでしょう。

マユミ・ゴン・ノガミ


一般の大人達や子供が見ても分かり易く、且つ、興味深いイラストです。
実際の大きさで描かれているのは圧巻で、子供達の眼差しを想像出来ます。
これから環境問題などにイラストが多く起用される事も期待しています。

内野 僚子


ゴミ処理の問題はすべての国民が考えなければならないことですが、普段捨てた後のゴミがどのように処理されているか、なかなか思い至りません。
5m近い巨大な機械のイラストを原寸で描き、その2枚のイラストが道路を挟み向かい合って配置されているのは迫力十分で、見学した人たちにインパクトを与えたことでしょう。

蟹江 隆広