日本イラストレーター協会

最優秀広告イラスト賞

2021年に広告媒体に使用目的の為に納品された作品のうち最も優秀な作品です。

古山 拓 (Taku Furuyama)

【クライアント】
イオンモール新利府

【使用媒体】
グランドオープンイベント用壁画

【作品に関するコメント】
東日本大震災から10年節目というタイミングでのイオンモール新利府グランドオープンにあたり、横5メートル縦2メートルサイズの壁画用イラストの依頼を受けました。イラストに求められたのは、子供たちの未来へ進むエネルギーでした。もちろん震災十年の節目の意味合いが込められています。 イラストは透明水彩で描いています。デジタルはなく、あえて手描きを求められ、アニメの世界にありそうな雰囲気を出してほしい、とのオーダーでした。

原画原寸は横幅90センチ×30センチです。支持体は水彩紙です。 撮影して大きくプリントしたものを壁画に張り込んで展示されました。イベントは以下の感じでした。 グランドオープン期間に来場するお客様に「未来へ向けてのメッセージ」をカラフルな吹き出しに手書きしてもらい、壁画にぺたぺたと貼り付けていきました。最終日にはたくさんの夢でイラストが埋められて「お客様とイラストレーターのコラボ作品が完成」というイベントとなりました。 イラストのラフを数パターン出して、絞り込み、フィニッシュと、打ち合わせから納品まで実質3週間の制作期間でした。

審査員コメント

上月伸仁

水彩手描きのぬくもりや柔らかさが、新たに出店されたモールに訪れる多くの老若男女の買い物客のニーズや年齢層に、健やかな空気感と安心感でお迎えするという、大変心地よい効果と付加価値を与えられたお仕事のように感じられました。
新たなモールの顔としてオープニングを飾るに相応しく素晴らしいお仕事に思えます。


島谷祐子

ファンタジーアニメのような世界観が、クライアントのご希望にしっかりマッチしており、展示空間に負けていない、イラストの存在感があります。 大きく引き伸ばして使用される用途から、部分的にキャラクターや背景などだけを見てもストーリーを感じられるような構成が考えられている点も面白いです。 何より、見る方が、明るい気持ちで希望をもったメッセージを書きたくなるイラストであり、この企画でイラスト自体が大きく役割を果たしている点が良かったです。


内野僚子

来場者とのコミュニケーションは手描き故の親しみ安さが窺えますし、また、未来への希望の意味を含めた構図は、モールのグランドオープンスペースに相応しいイラストだったと思います。 おめでとうございます!


蟹江隆広

東日本大震災から10年節目ということもあり、被災された方達がそれぞれ強い想いでこの絵を見られたことと思います。
辛い過去から立ち直り、明るい未来を感じさせる絵になっています。